老齢年金をいつからもらうか?

標準的には老齢年金は65歳から受給することになっているが、繰下げると一ヶ月あたり0.7%増額され、(75歳まで繰り下げると)最大84%と倍近くまで増えるので、収入や蓄えがあってすぐに年金を貰わなくても生活できる場合は繰下げを検討したくなる。しかし、生活費に使う必要がないなら逆に繰上げ受給して運用すれば金が金を生む可能性もある。また、年金を増額すると税金や国民健康保険料なども増えてしまうので、必ずしも繰下げ受給が得とも限らない。そこで今回は、年金をいつからもらうのが得か考察する。

前提条件として、同い年の夫婦二人世帯で勤労所得は無く、夫の年金額は月額16.5万円、妻は6.5万円、年間支出は288万円、金融資産は60歳の時点で2,000万円、運用利回りは年3%とする。また、評価関数は男性60歳での平均余命は24年なので84歳時点での資産の額とする。

計算結果によると(下図参照)、84歳の時点では年金を61歳から繰上げ受給した場合が最も資産が多い結果が得られた。

図1 老齢年金繰上げ・繰下げによる資産の推移。同い年の夫婦二人世帯で夫の年金額は月額16.5万円、妻は6.5万円、年間支出は288万円、金融資産は60歳の時点で2,000万円、運用利回りは年3%。

参考